いzuka毎日記

特別なことは起きないけれど、毎日なにかはある。 福岡・飯塚のまちを“いzuka目線”でのんびり観察中。 それが「いzuka毎日記」です。

福岡県大川市の人口減少スピードは速いのか?周辺地域や他県と比べてみた

Ezuka

大川市の筑後川昇開橋


飯塚に暮らしていると、ふとした時に人口のことが気になります。
人が減るって、ただの数字じゃないんですよね。
夕方の道路がちょっと静かだったり、文化会館の催しに少し余裕があったり。
じわじわと、でも確実に町の風景が変わっていくのを感じます。

そこで最近気になったのが、大川市のこと。
家具のまちとして知られ、筑後川や国道208号沿いにはゆめタウン大川もあります。
筑後川昇開橋の風景も好きです。

そんな大川市の人口は、福岡県内では減り方が速いのでしょうか、それともゆるやかなほうなのでしょうか。
周辺の市町村と比べたらどうなのか。
また、高知県の四万十市や広島県の海田町のように、人口規模が似ている市町と比較したら、どんな違いが見えてくるのか。
そんなことを調べながら、ゆるく考えてみました。

まず結論から先に置いておくと、大川市の人口減少は県平均と比べると明らかに速めです。
ただし、福岡県内の減少している市町村の中では、極端に速いわけではなく、どちらかといえば「やや速い」くらいのポジション。
四万十市とはほぼ似たような減り方で、逆に海田町はこの5年で増えていました。
このあたりの違いが、今回の考察のポイントになりそうです。


大川市の人口はこの5年でどれくらい減ったのか

まずは数字をざっくりと見てみます。
2015年から2020年の5年間で、大川市の人口は約1,800人減少しました。
率にするとおよそ5パーセント台のマイナスです。

「5年で5パーセント」と聞くと、少しずつのように見えるかもしれませんが、体感に落とし込んでみると、なかなか大きな変化です。
大川市文化センターの客席が前より少し空いている気がするとか、図書館が静かになったなと感じるとか。
そういう町の日常の「温度」が、静かに下がっていくような印象を持ちます。

国道442号を車で走って、入道橋や南郷原といった交差点のあたりを通る時、私はこの数字の現実をぼんやり思い出します。
車社会の町ほど、人口の増減が見えやすく、変化のスピードが加速しやすいのかもしれないなと感じています。

大川市公式サイト 人口の記載あり


福岡県全体と比べて大川市の減り方はどうなのか

福岡県全体を見ると、同じ5年間で人口は微増しています。
都市部を中心に、まだまだ人が集まっている県です。

そんな中で、大川市の5パーセント台の減少は、明らかに速めの動きです。
数字だけを見れば、県全体の平均からはかなり下がっていることがわかります。

ただ、「速い」とひとことで言ってしまうのも雑な気がしていて、やはり大切なのは周辺の市町村と並べてみたときにどう見えるか、という点だと思います。
というのも、福岡県には福岡市という人口の磁石のような存在があって、増えるエリアの強さが際立つことで、他の地域の減り方がより目立って見えることがあるからです。


周辺市町村との比較で見える大川市のポジション

地理的に近い自治体としては、久留米市、柳川市、筑後市、みやま市、うきは市、大木町あたりが自然な比較対象になります。
この5年間の人口増減を見てみると、次のような傾向があります。

久留米市はほぼ横ばい。筑後市は微増。
柳川市は減少、みやま市はもう少し強く減少。
うきは市大木町も減少していますが、落ち幅はそれぞれ異なります。

こうした中に大川市を並べてみると、減少グループの中でも「やや速い」位置にいます。
柳川市より少し速く、みやま市ほどではない。
筑後市や久留米市のような微増・横ばいグループとは明らかに違う流れにあります。

ここで私はちょっと複雑な気持ちになります。
ゆめタウン大川があっても人口は減るのか、と。
大型商業施設があるからといって、住む人が増えるとは限らない。
そんな現実が、なかなか割り切れずに胸に残ります。

ただ、減少の理由は決して単純ではないと思います。
大川市には観光資源もありますし、筑後川昇開橋のような象徴的な風景や、清力美術館のような歴史を感じる場所もあります。
産業面でも、大川産業会館をはじめとした家具関連の土台があります。
それでも人が減るというのは、施設の問題ではなく、世代の動き、つまり若い世代が町を出るスピードと戻ってくる力のバランスがうまくいっていないのかもしれません。


他県で人口規模が似ている市町と比較してみました

次に目線をちょっと外して、他県で人口規模が近い市町村を並べてみました。
選んだのは、高知県の四万十市と、広島県の海田町です。▶全国市町村人口ランキング

まず四万十市ですが、こちらも2015年から2020年で約4〜5パーセントの人口減少が見られます。▶四万十市の人口変動
大川市とかなり近いペースです。

ただ、減少の背景には大きな違いがあるように思います。
四万十市は面積が広く、山や川に囲まれている地形です。
暮らしの基盤に「距離」が関わっていて、医療や教育、買い物といった生活の要素が、どれも遠く感じやすい地域です。

一方の大川市は、むしろ「近さ」が影響している印象があります。
久留米市や筑後市、柳川市、さらには佐賀県側へのアクセスも良く、移動しやすい生活圏です。
この利便性が、逆に若い世代の流出にもつながっているのかもしれません。
選択肢が多いことで、外に出やすくなる。そんな近さの難しさを、大川市は抱えているように感じます。

そして広島県の海田町。
こちらは同じような人口規模にも関わらず、なんと増加傾向にあります。
この差はかなり大きいです。

海田町は広島市の近郊という立地の強さがあり、通勤圏・住宅地としての機能がしっかりしていることが増加の背景にあるようです。▶海田町の人口について
大川市にも都市部へ出やすいルートはあるのですが、都市の延長として人を集める形ではない。
このあたりに、近さの質の違いが出ているように思います。


大川市の人口減少は福岡県内で速いのかどうか

最後に、今回の内容を整理しながら私なりの暫定的な答えをまとめておきます。

福岡県全体が微増だったこの5年間において、大川市はおよそ5パーセントの減少でした。
この時点で、県平均と比べると減少スピードは「速い」と言えます。

ただ、周辺の自治体と比較した場合、大川市は「最も速い」わけではありません。
減少している自治体の中では「やや速い」くらいのポジション。
そして人口規模が似ている他県の市町と比べると、四万十市とは同じくらい、海田町とは反対方向へ進んでいます。

つまり、大川市の人口減少は単なる数の話ではなく、生活圏の構造や、世代の動きの積み重ねによってつくられているもののように思えました。

私は飯塚に住んでいますので、大川市の毎日をすべて知っているわけではありません。
それでも、筑後川昇開橋の夕景や、大川産業会館の静けさ、ゆめタウンのにぎわいを思い出すと、この減少のスピードが、静かだけれど確かなものであることを実感します。

次に見るとしたら、年齢別の人口構成でしょうか。
どの世代が抜けていて、どの世代が残っているのか。
人口の変化は、世代のかたちにこそ現れると思っています。
そこまで見て、もう少し深く、大川市の今と向き合ってみたいです。